伝染する小児疾患
2010年03月27日
~代表的な小児疾患~
伝染性紅斑(りんご病)
ほっペがりんごのように赤くなるので,りんご病と呼ばれています。太ももや腕には赤い斑点やまだらのレース様の
紅斑模様ができます。頬がほてったり少しかゆくなることもありますが、ほとんどの場合熱はでません。ヒトパルボウイ
ルスにより1~3週の潜伏期間で飛沫感染(咳や痰)で起こります。例年1月から7月上旬にかけて流行します。かゆみ
どめの塗り薬と飲み薬で治療します。化膿したときは抗生剤入りの軟膏や飲みぐすりを使用します。頬が赤くなったと
きは,すでにうつる時期をすぎているので,保育所・学校には行ってもかまいません。しかし,あまりまっ赤な頬なら2ー
3日休むほうが無難でしょう。
溶連薗感染症
溶連菌(溶血性連鎖球菌)という細菌がのどに感染して、のどの痛みや熱、体や手足の発疹などが出て、猩紅熱の
形をとることがあります。舌はイチゴのようになります。のどの検査で溶連菌がいることがはっきりしたら、抗生剤を
10~14日間飲みます。1日か2日で熱が下がり、のどの痛みも消えます。でも途中で薬をやめてしまうと再発します。
薬をきちんと飲まないとリウマチ熱や腎炎をおこすことがありますから、指示通りに最後まで飲むことが大切です。家
庭で気をつけることとして、家族にもうつるので兄弟や両親に同じような症状があれば、受診して、のどの検査を受け
て下さい。のどの痛いときは、熱いものや辛いもの、すっぱいものは避けましょう。入浴は熱がなければかまいませ
ん。
手足口病
手足口病は、乳幼児・小児によくみられる疾患で、手のひら、足の裏、口の中の発疹と水疱を特徴とします。一般的
には、発熱で始まる軽い病気で、ほとんどの人が、1週間から10日程度で自然に治ります。合併症もほとんどありませ
んが、まれに髄膜炎等の中枢神経症状が発生し、入院が必要となります。いくつかのウイルス(コクサキーA16、エン
テロウイルス71など)が原因で起きます。感染者の鼻やのどからの分泌物や便に排出されるウイルスが、経口・飛沫・
接触などの経路により人から人に感染します。一度かかると免疫が成立しますが、複数のウイルスによって引き起こ
されますので、別のウイルスによって再び起こることがあります。
伝染性膿珈疹(トビヒ)
黄色ブドウ球菌や連鎖球菌、黄色ブドウ球菌との混合感染によって起こります。水泡性膿珈疹は夏に多く、乳幼児
の顔、特に、鼻孔のまわりに小水泡、びらんが多発します。体幹や手足にも拡大します。珈皮性膿珈疹という形では、
季節に関係なくまた、小児のみならず成人にも発症します。いずれもセフェム、ペニシリンなど抗生物質での治療が必
要です。水泳や学校は休ませて他児への接触を避けなければなりません。
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