更年期障害

~更年期障害とは~


どんな病気?

 更年期とは通常は閉経をはさんで前後5年ずつ、すなわち45~55歳をさしますが、幅広く考えるなら65歳未満までと
なります。この間、少しずつ女性ホルモンが減少していきます。
 更年期を疑う症状としては、
  1)月経が不順になっているか、閉経になっている、もしくは婦人科疾患で両側の卵巣の摘出術を受けている。
  2)多岐にわたる愁訴があり、しかもそれが一定でなく時々刻々と変化する。
  3)のぼせ・ほてり・発汗・腰や手足が冷えるといった血管運動、神経症状を主体とする身体症状が見られる。
  4)さらに憂鬱、意欲がわかない、不眠、不安感、神経質、イライラする、興奮しやすい、などの精神神経症状がみら
   れる。
などがあげられます。

鑑別すべき病気

 更年期障害は除外診断(他の病気を除外する)の上に成り立っているので、同じ様な症状を呈する他の病気を見落
としてはなりません。間違われやすい病気として、甲状腺機能低下症、心身症、軽度の神経症、ヒステリー、鬱病など
があります。

 これらを鑑別するために、甲状腺ホルモンや女性ホルモンの血中濃度を調べたり、また心理テスト(CMI,SDS)などが
行われることもあります。

 更年期障害の治療として、代表的なものに女性ホルモン置換療法があります。うまく使えば症状が軽減し、また骨
粗鬆症や高脂血症の予防にもなります。日本ではこれまであまり注目されていませんでしたが、今後増えてくるものと
思われます。