プラタナス2010年4月号
2010年04月05日
--**プラタナス**--
新時代がやってくる?
卒業や退職、また入学入社の季節です。桜の花がそろそろつぼみを大きくして出番を待っている、そんな何となくワクワクしてくる時期。お彼岸が過ぎて、急に日が長く感じてきます。まだ寒い朝もあり、時には雪もちらつくというのにいつのまにか日差しが強くなったことに驚きます。
知り合いが、太陽光発電を始めたようで、毎日天気を気にしています。気温がそれほど上昇しなくても日差しがあれば、どんどん発電するとのこと。一日の家庭使用電気をまかなえるほどではないにしても、電気使用の節約を感じるには十分の様で、かつ使用量を上回る発電は、高コストで買い取りしてくれるので、まさにエコ得。家電製品のエコポイントやハイブリッド自動車など、世の中は炭酸ガス排出抑制と低エネルギー社会に向け進んでいるようです。とても良いことのようですが、何かひっかかる、ちょっと待てよ。
恐竜の絶滅は、6500万年前のメキシコ、ユカタン半島の先に、直径10Kmほどの隕石が衝突したためと最近確定されました。核爆弾何万発分のエネルギーで大爆発と大津波がおこり、舞い上がった土砂や噴煙が地上を数千年にわたり覆い尽くして気温が低下、海中や地上の植物が育たずそのため生命の7割以上が絶滅したともいわれます。地球に生命の危機はこれ以外にも数度あったようだといわれています。ほとんどが気候気温の変動によるもののようで、過去には全地球が100度以上の灼熱の時代や、逆に全球凍結した時代もありました。その間も、生命はしぶとく生き延びて、現代の繁栄に繋がっています。
地球はそれだけダイナミックに生きており、また微妙なバランスを保っているともいえるでしょう。人間の社会活動が地球を脅かすほどになっているのかどうか、正確には誰も確信を持ってはいないでしょう。ただ、60億以上の人間が、生きるためのエネルギーの数十倍から数百倍を費やしているのが現実です。生きるためには今の使用量のほんのわずかで済むのです。ただそれだけでは人間の存在が意味のないものになってしまう様な気もします。今、生命体の一つとしての人間の価値を問われているのかもしれません。これから地球にはどんな人智を超えた試練が待っているのか?ただ流行のようにエコ生活を取り入れるだけでよいのか。生物としての人間の目指す方向/経済の発展や科学の進歩が果たしてこれ以上に必要か否かも含め、真剣に論議することが必要なのかもしれません。