心身症
2010年09月12日
心身症はよくわからないといわれます。日本心身医学会の定義では「身体疾患のなかで、その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害が認められる病態をいう。ただし、神経症やうつ病など、他の精神障害に伴う身体症状は除外する」とされ、精神疾患=精神病ではなく、身体疾患(身体の症状を有する病気)と明記されています。
しかし、心理的ストレスとの関係が大きいことは間違いありません。
主な心身症をあげてみましょう。
呼吸器疾患;気管支喘息、過換気症候群、神経性咳漱
循環器;高血圧、低血圧、起立性低血圧
消化器;機能性胃腸症、過敏性腸症候群
代謝内分泌;糖尿病、甲状腺機能亢進症、更年期障害
神経筋肉疾患;偏頭痛、書痙、眼瞼痙攣
泌尿器;夜尿症、過活動膀胱、インポテンス
その他;線維性筋痛症、円形脱毛
こころと身体の関連はほとんどの病気に認めますが、一般的には身体疾患(各臓器など)の病気は身体の治療のみで回復できます。また精神疾患(うつ病や統合失調症)は精神に焦点をあてた治療が行われます。心と体の両面の関連がある病気は心身両面からの診断と治療が必要になってきます。
現代の専門分化された医療の中では、なかなか両面からのアプローチをする余裕と時間がとれないのが現状で、大病院の専門科に行ったからすぐ良くなるものではありません。身近な信頼できるかかりつけ(特に総合的な視点をもつ内科系の)医師に身体のみならずこころの面も同時に診断治療してもらう必要があると思います。